2026 年度診療報酬改定で在宅医療はどう変わる?ご家族が知っておきたい 5 つのポイント

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定により、在宅医療の仕組みが大きく見直されました。制度の話は専門的でわかりにくく感じられるかもしれませんが、実はご自宅で療養されるご本人やご家族にとって「どんな医療機関を選べば安心か」を判断する手がかりが詰まっています。今回は、改定のポイントをご家族目線でわかりやすく整理し、訪問診療を検討する際に押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。

ポイント1 重症患者への対応を手厚く行う医療機関が明確になった

今回の改定では、地域で重症患者の訪問診療や在宅看取りを積極的に担う医療機関を評価する仕組みが強化されました。従来の「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」は「在宅医療充実体制加算」へと改編され、点数も引き上げられています。逆に、症状が比較的落ち着いている方に一律で月2回訪問するだけの医療機関については評価が見直されました。つまり、患者さんの状態に応じてきめ細かく対応できる医療機関かどうかが、これまで以上に問われる時代になったといえます。

ポイント2 医師と薬剤師が同時に訪問する仕組みが新設

「訪問診療薬剤師同時指導料」という新しい評価が設けられ、医師と薬局の薬剤師が同じタイミングでご自宅を訪問し、服薬指導を行うケースが評価されるようになりました。薬の種類が多くなりがちな在宅療養では、医師と薬剤師が顔を合わせて情報を共有できることは、ご家族にとっても安心材料になります。

ポイント3 お薬の飲み合わせ確認がこれまで以上に重視される

高齢になるほど服用する薬の数は増え、飲み合わせ(ポリファーマシー)の管理が課題になりやすいものです。今回の改定では、残薬の確認や服薬状況の把握が算定要件として明確に位置づけられました。定期的に薬の見直しを行ってくれる医療機関かどうかは、日々の様子を見るご家族が確認しておきたいポイントです。

ポイント4 医療機関を選ぶときの新しい目安ができた

「在宅医療充実体制加算」を取得しているかどうかは、24時間の対応体制や多職種連携の実績など、一定の質を満たしている医療機関を見分ける一つの目安になります。契約前の面談では、次のような点を具体的に確認しておくと、後々の不安を減らせます。

  • 夜間や急変時に、誰がどのように駆けつけてくれるのか
  • 普段の担当医と、緊急時に対応する医師が異なる場合、方針がきちんと共有されているか
  • 訪問看護やケアマネジャーなど、他の職種とどのように連携しているか

「夜間に連絡したら知らない医師が来て戸惑った」「方針が共有されておらず説明が食い違った」といった不安の声は少なくありません。事前にこうした運用の細部まで確認しておくことが、安心につながります。

ポイント5 費用の目安も事前に確認しておきたい

自己負担割合によって月々の費用は変わります。一般的な目安として、1割負担の方であれば月額6千円から7千円前後に収まることが多い一方、3割負担の方はもう少し高くなる傾向があります。実際の金額は病状や訪問回数によって異なるため、契約前に見積もりを確認しておくと安心です。

まとめ

在宅医療は、医師や看護師、薬剤師、介護スタッフなど多くの専門職がご家庭に関わりながら支える医療です。今回の制度改定は、こうした多職種の連携や、患者さんの状態に応じたきめ細かな対応を評価する方向に大きく舵を切ったものといえます。また、在宅療養を長く続けるコツは「ご家族おひとりで抱え込まないこと」でもあります。訪問してくれるスタッフに小さな不安でも相談し、家族内で役割を分担しながら、周囲と協力できる体制を少しずつ作っていくことが、無理のない介護・看護生活につながります。医療機関を選ぶ際は、体制や実績、費用の目安を事前に確認し、わからないことは遠慮なく質問しながら、ご本人とご家族が安心して過ごせる在宅療養の形を一緒に見つけていきましょう。

(本記事は公開情報をもとに作成した一般的な解説です。実際の算定要件や自己負担額は医療機関・個々の状況により異なりますので、詳細は各医療機関へご確認ください。)