練馬区で在宅療養中のご家族へ|夏本番、高齢者の脱水・熱中症対策で知っておきたいこと

今年も厳しい暑さが予想されています。ご自宅で療養中の高齢のご家族は、暑さやのどの渇きを感じにくく、気づかないうちに脱水症状が進んでしまうことがあります。今回は、練馬区にお住まいのご家族に向けて、夏の脱水・熱中症対策のポイントをご紹介します。

■なぜ高齢者は脱水・熱中症に気づきにくいのか
加齢とともに体内の水分量は少しずつ減っていき、体に蓄えられる水分の割合は若い方に比べて高齢者のほうが少なくなる傾向があります。さらに、のどの渇きを感じる仕組みそのものが衰えていくため、ご本人が「大丈夫」「まだ平気」と感じていても、実際には水分がかなり不足していることが少なくありません。何となく元気がない、食欲が落ちている、日中うとうとしていることが多い、といった一見「体調不良」とは気づきにくいサインの裏で、脱水が静かに進んでいることもあります。在宅療養中は特に、ご家族による日々のちょっとした観察が、体調の変化にいち早く気づく大きな手がかりになります。

環境省は、熱中症予防の目安として室温28℃以下・湿度70%以下を推奨しており、高齢者のいる部屋では25〜26℃程度を目安にするとより安心とされています。エアコンの設定温度だけでなく、実際の室温・湿度を温湿度計で確認する習慣をつけると、「エアコンをつけているのに暑い」といった見落としを防ぎやすくなります。

■練馬区で活用できる見守り・熱中症対策の支援
練馬区では、高齢者の熱中症対策として、住民税非課税世帯を対象としたエアコン購入費用の助成や、室温・湿度が一定の基準を超えると自動で注意を知らせる機能つきの緊急通報システムの導入支援などが行われています。あわせて、地域包括支援センターなどでの注意喚起の呼びかけや、区立施設・薬局・コンビニエンスストアなどを「クーリングスポット(涼みどころ)」として開放する取り組みも進められています。対象条件や実施内容は年度によって変わることがあるため、最新の情報は練馬区の公式ホームページや、お近くの地域包括支援センターでご確認いただくと安心です。大泉学園・西東京市・新座市など近隣にお住まいの方も、お住まいの自治体で同様の支援策が用意されていないか、一度チェックしてみることをおすすめします。

■おうちでできる水分補給の工夫
加齢とともに、体内に水分を蓄えておく力そのものも弱くなっていきます。特別な持病がなくても脱水になりやすいという点は、意外と知られていないかもしれません。高齢者の場合、飲み物だけで一日に必要な水分量を満たすのが難しいこともあります。食事の際にお味噌汁やスープ、果物など水分を多く含むメニューを取り入れる、起床時・食事の前後・入浴の前後など「時間を決めて」少しずつ飲む習慣をつける、といった工夫が効果的です。むせやすい方には、とろみをつけた飲み物を活用する方法もあります。ご本人が「のどが渇いていない」と話していても、「少し飲んでおきましょうか」といったこまめな声かけを続けることが、水分不足を防ぐ第一歩になります。

■こんな変化に気づいたら早めの相談を
ぼんやりしている、いつもより反応がにぶい、皮膚や口の中が乾燥している、尿の色が濃い、といった様子が見られたら、脱水や熱中症が進んでいるサインかもしれません。まずは涼しい場所への移動と水分・塩分補給を行い、それでも症状が改善しない場合や、意識がはっきりしない、嘔吐が続くといった場合は、ためらわずに医療機関へご相談ください。在宅療養中の場合は、かかりつけの訪問診療医や訪問看護師にも早めに連絡することで、ご自宅にいながら適切な対応につなげやすくなります。

■まとめ
夏の脱水・熱中症は、日々のちょっとした工夫とご家族の観察によって、多くの場合予防が可能です。練馬区をはじめとする各自治体の支援制度も上手に活用しながら、ご家族みんなで無理なくこの夏を乗り切っていきましょう。当院のように在宅療養を支える医療機関では、体調管理に関するご相談も承っております。気になる変化があれば、遠慮なくお声がけください。